真鯛とはどんな魚?縁起がよいとされる理由や天然・養殖の違いも解説

真鯛

基本データ

  • 標準和名:マダイ
  • 学名:Pagrus major
  • 英名:Red seabream
  • :ニザダイ
  • :タイ
  • :マダイ

真鯛とはどんな魚?

真鯛(マダイ)とは、タイ科マダイ属に分類される魚で、日本の食文化と深い関わりを持っています。淡白ながら旨みのある白身と美しい姿が特徴で、古くから食用魚として親しまれてきました。

真鯛の生態と見た目の特徴

真鯛(マダイ)は、スズキ目タイ科に分類される魚で、北海道から九州、東シナ海に至るまで日本近海の幅広い海域に分布しています。水深30〜200mほどの岩礁域や大陸棚を中心に生息しており、成魚になると体長は30〜70cm、大きなものでは1m近くにまで成長します。

見た目の最大の特徴は、全身を包む鮮やかな淡いピンク色の体色です。体に散らばるコバルトブルーの美しい小斑点は、生きて海を泳いでいる時や鮮度が良い状態でのみ輝く大きな魅力です。

日本人が食用として親しんできた最古の魚

真鯛は、日本人が古代から食用として親しんできた歴史上最も古い魚の一つです。各地の縄文時代の貝塚からは真鯛の骨が多数出土しており、実に数千年も前の縄文・弥生時代から貴重な栄養源として捕獲されていたことが分かっています。

さらに、日本最古の歴史書とされる『古事記』や『日本書紀』にも鯛に関する記述が登場します。このように、古くから単なる日々の食材にとどまらず、時代が進むにつれて高級魚としての価値も高まり、現在では日常の食卓だけでなく、お祝い料理を代表する魚として定着しました。

「タイ」と名のつく魚は200種類以上

実は、タイ科に属していないにも関わらず、見た目や名前の縁起の良さから「〇〇タイ」と名付けられた魚は200種類以上存在します。こうした魚は、いわゆる「あやかり鯛」と呼ばれており、「鯛のように縁起が良い存在にあやかりたい」という日本人の文化的な感覚が反映されているのだそう。

ただ、実際にタイ科に属す正式な鯛はたったの24種類で、日本近海に限定すると13種類に限られます。

たとえばキンメダイはキンメダイ科、アマダイ類はアマダイ科であり、真鯛とは分類上異なる魚です。

そのなかでも、真鯛に近い魚として覚えておきたいのが「チダイ」と「クロダイ」です。

チダイ

チダイ

見た目が真鯛によく似ていますが、その名のとおりエラぶたの縁が血のように赤く見えるのが大きな特徴です。真鯛と比較すると小ぶりで、市場では「小鯛」として扱われる場合もあります。

クセが少ない白身魚なので、塩焼きや刺身、酢締めなど幅広い料理で楽しめます。また、見た目や味が真鯛に似ていることから、真鯛の代わりとしてお祝い料理に登場することも多いそうです。

クロダイ

クロダイ

真鯛が赤みを帯びた華やかな体色なのに対し、クロダイは名前のとおり黒や銀灰色を帯びた体をしています。関西より西では「チヌ」の名前で知られており、釣りのターゲットとしても人気です。

沿岸部に生息し、小魚や甲殻類だけでなく貝類なども食べます。縄文時代の遺跡からはマダイだけでなくクロダイの骨も発見されており、こちらも古くから日本人が食べてきた魚です。

真鯛の旬は「春」と「秋」

タイは年間を通して水揚げされていますが、天然の真鯛を食べるなら旬である「春(3月〜6月)」と「秋(9月〜11月)」がおすすめです。

春に水揚げされる真鯛は「桜鯛」と呼ばれており、脂が控えめでさっぱりとした味わいです。産卵期が近いため、オスの白子やメスの卵巣も大きく育ち、まさに”旬”ならではの美味しさを堪能することができます。

一方、秋に獲れる真鯛は「もみじ鯛」と呼ばれます。冬に備えてたっぷりと栄養を蓄えているため、脂のりがよく、上質な味わいを楽しめるのが特徴です。さらに、この時期の真鯛は体の赤みが増すとされ、味わいだけでなく見た目の美しさも際立ちます。

鯛はなぜ縁起がよいといわれるの?その理由とは

鯛といえば「おめでたい魚」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

鯛が日本の縁起物として親しまれてきた背景には、単に高級魚という理由だけでなく、日本人が好んできた色や言葉、さらには鯛の体にある骨まで関係しています。

日本では「紅白」の色合いが縁起がいいとされている

鯛が縁起物とされる大きな理由の一つが、その美しい「紅白」の色合いです。

日本では古くから、紅白がお祝い事を象徴する色として使われてきました。結婚式やお正月飾りの水引、おめでたい席の紅白幕などで馴染みがある方も多いはずです。

真鯛は鮮やかな赤みを帯びた姿と美しい白い身を持ち、その華やかなコントラストはお祝いの席に華を添えます。さらに、頭から尾まで揃った「尾頭付き」の姿は見た目も豪華で、「最初から最後まで全うする」という長寿や成就の意味も込められています。

こうした理由から、結婚や出産、お食い初め、お正月といった人生の節目を祝う料理として、今もなお深く親しまれています。

「めでたい」との語呂合わせ

もう一つ非常に分かりやすい理由が、「めでたい」と「鯛(たい)」を掛けた語呂合わせです。

鯛はもともと、その美しい姿と味の良さから高級魚として珍重されていました。そこに「めでたい」という言葉との語呂合わせが加わったことで、おめでたい席に欠かせない縁起物として定着していったとされています。

また、鯛は古くから価値あるものの代名詞でもありました。「腐っても鯛」や「海老で鯛を釣る」といったことわざからも分かるように、日本人にとって鯛はいつの時代も「格別で価値の高い存在」だったのです。

このように、言葉遊びによるおめでたさと、誰もが認める高い価値を併せ持っている点も、鯛が縁起物として親しまれる理由です。

江戸時代に鯛の骨が開運グッズとして人気を集めていた

江戸時代に開運グッズとして人気を集めていた「鯛の鯛」

鯛には色や語呂からくる縁起のよさもありますが、食べ終わったとに出てくる、鯛の骨の形も縁起がよいとされてきました。

鯛の胸ビレ付近には、まるで魚そのもののような形をした肩帯(けんたい)と呼ばれる骨があります。その姿が小さな鯛に見えることから、古くから「鯛の鯛」と呼ばれて親しまれてきました。

江戸時代には「鯛の鯛」を財布に入れておくと「金運が上がる」「厄除けになる」とされ、お守り代わりに持ち歩く人もいたほどです。

実はこの形状の骨は他の魚にも存在し、例えばアジなら「アジの鯛」、ホッケなら「ホッケの鯛」といった一風変わった名前で呼ばれていました。代用品として親しまれたものもありましたが、やはり本家である「鯛の鯛」の美しさとご利益は別格で、ダントツの人気を誇っていたといわれています。

真鯛の天然・養殖では何が違う?

スーパーや鮮魚店で販売されている真鯛には、天然物と養殖物があります。

どちらも同じ真鯛ですが、育つ環境やエサなどが異なるため、体色や脂の量などに違いが現れる場合があります。

ここからは、天然真鯛と養殖真鯛の違いを詳しく見てみましょう。

日本国内の真鯛の漁獲量割合は天然2割・養殖8割

現在、日本で流通する真鯛は天然より養殖の方が圧倒的に多いのが特徴です。全体の生産量のうち、実に81%が養殖を占めています。

農林水産省によると、2024年(令和6年)の天然真鯛の漁獲量は15,454トン、養殖真鯛の収穫量は68,439トンでした。魚種別に見ても、真鯛は国内トップクラスの生産規模を誇る主要な養殖魚種です。

主な漁獲地・収穫地は以下の通りです。

■天然真鯛

天然真鯛の主な漁獲地漁獲量
兵庫県2,050t
愛媛県1,185t
長崎県1,795t

■養殖真鯛

養殖真鯛の主な収穫地収穫量
愛媛県39,114t
熊本県10,717t
高知県7,070t

真鯛はすでに人工種苗(稚魚を人工的に育てて活用する技術)による養殖技術が確立しているため、生産効率が極めて高いのも特徴です。こうした技術開発と安定供給のおかげで、現在では季節を問わず、いつでも美味しい真鯛を食卓で楽しめるようになっています。

天然と養殖の見た目の違い

天然の真鯛と養殖の真鯛は、育つ環境や食べているエサの違いから、見た目にハッキリとした違いが現れます。

ここでは、スーパーや鮮魚店で見比べる際にも役立つ、それぞれの見た目の特徴についてご紹介します。

天然の真鯛と養殖の真鯛
引用:魚食普及推進センター「真鯛 天然と養殖の見分け方・違いを知りタイ!」
上:天然真鯛 下:養殖真鯛

天然の真鯛

天然の真鯛は、日照量が届く綺麗な浅瀬から深海までダイナミックに回遊して育つため、全体的に鮮やかな美しいピンク色(桜色)をしています。

また、天然物は強い水流の中でしっかり運動しているため、体型が引き締まっていてスリムなのが特徴です。鼻の穴(鼻孔)が前後に2つずつ綺麗に開いていることや、尾ビレが角ばっていてピンと張っている点も、天然物ならではの判別ポイントです。

養殖の真鯛

養殖の真鯛は、生けすの浅い場所で太陽光を浴びることが多く、日焼けによって全体的に黒っぽく(黒ずんだ赤色)なりやすい傾向があります。

また、豊富で栄養価の高いエサを食べて運動量が抑えられているため、体型は丸みを帯びてふっくらとしています。運動量が少ない影響で尾ビレの角が丸くなっていたり、鼻の穴が左右で1つずつ繋がって見えたりすること(鼻孔開口障害)も、養殖物によく見られる特徴です。

最後に表で見分けポイントを比較してみましょう。

スクロールできます
比較ポイント天然の真鯛養殖の真鯛
全体の色合い鮮やかで美しいピンク色(桜色)日焼けによりやや黒ずんだ赤色
体形・姿すっきりと引き締まっている全体的に丸みを帯びてふっくらしている
尾ビレ先端がピントと尖り、角ばっている擦れなどで角が丸くなっている
目の大きさ大きめ小さめ
鼻の穴(鼻孔)左右にそれぞれ2つずつ開いている左右で繋がって一つに見えることがある
身の色と脂透明感のあるピンクで、脂は控えめ白っぽく濃い色合いで、脂がしっかりと乗っている

※上記の比較ポイントは、あくまで見分け方の目安です。水揚げされた地域や時期、エサや飼育環境、個体差などによって当てはまらない場合もあります。

瀬戸内の真鯛を食べるなら回転寿司すし丸へ!

広島・岡山を中心に店舗を展開する「回転寿司すし丸」では、瀬戸内産の真鯛をはじめとしたこだわりの寿司を気軽にお楽しみいただけます。ご家族での食事はもちろん、友人とのランチや夕食など、さまざまなシーンでご利用いただけます。

また、「自宅でゆっくりお寿司を楽しみたい」という方には、テイクアウトもおすすめです。お店でもご自宅でも、お好みのスタイルでお寿司をお楽しみください。

※真鯛の取り扱い状況や提供メニューは、時期・店舗によって異なる場合があります。ご来店前に最新情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

初めまして!回転寿司や魚の魅力について発信している「お寿司のいろは」編集部です。

このブログでは、皆さまにもっと深くお寿司を楽しんでいただくため、回転寿司やお魚に関する"知っ得情報"を、分かりやすく、そして楽しくお届けします。